1989年、バブル真っただ中に登場したR32スカイライン――。
初期モデルは発売から25年以上経過していますが、未だに現役というイメージが強いでしょう。
年式から考えれば旧車やヒストリックカーというジャンルに入りますが、R32は古さを感じさせないスタイリッシュさがあります。
その魅力について、スカイライン・GT-R買取日本一を目指しているスマイルワークスが迫ります。
ハコスカからR31までのスカイラインは若者からファミリー、そして年齢を重ねた方まで、幅広いユーザーを獲得するために複雑なグレード構成でした。
「羊の皮を被った狼」と例えられるように4ドアセダンのボディを基本にしながらクーペやワゴン、バンなど、さらに複数のエンジンバリエーションを展開。
R32スカイラインからはグレードを徹底的に整理し、ボディは4ドアセダンと2ドアクーペに絞られました。
また、モデルチェンジで大型化していたボディを大胆にシェイプアップ。
R32の全長は、R31から150mmも短く設定されました。
エンジンもRB20が中心になり、タイプMと呼ばれ親しまれている「GTS-t Type M」はターボモデルのRB20DETを搭載。
そのほかにも4輪マルチリンクサスペンションやアルミキャリパー対向ピストンブレーキシステム(フロント4ポット/リヤ2ポット)、スーパーハイキャスなど最新システムを多数装備して走行性能を飛躍的に向上させました。
R32と共に登場した、新時代のスポーツカーたち
昭和から平成に変わった1989年、R32スカイラインが誕生しました。
時を同じくしてフェアレディZや180SX、レガシィ、CR-X、ロードスター、MR2といった次世代を担うスポーツカーが登場。
さらに翌年の1990年にはNSX、1991年にはRX-7(FD3S)、1992年にはインプレッサやランサーエボリューション、1993年にはスープラ(JZA80)といった新世代スポーツカーが相次いで発売。
1989年を境に国産スポーツの性能やスタイリングは大きく変化しました。
R32誕生の道筋を作ったR31とR32のスペック比較です。
R31からRB20DETが採用されていますが出力は低め。
また、足まわりに関してもR31はストラット/セミトレーリングアーム+ハイキャスという仕様ですが、R32では現在でも主流になっているマルチリンクを採用しています。
R31 GTS-X (HR31) ※最終モデル(1991年) |
R32 GTS-t タイプM (HCR32) ※最終モデル(1992年) |
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4650×1690×1385mm | 全長×全幅×全高 | 4530×1695×1325mm |
2615mm | ホイールベース | 2615mm |
(F)ストラット (R)セミトレーリングアーム |
サスペンション前/後 | (FR)独立懸架マルチリンク |
1350kg | 車重 | 1340kg |
RB20DET | エンジン | RB20DET |
190ps/6400rpm | 最高出力 | 215ps/6400rpm |
24.5kgm/4800rpm | 最大トルク | 27.0kgm/3200rpm |
標準モデルから遅れること3カ月、R32スカイラインにGT-R(BNR32)が加わりました。
ケンメリGT-Rから数えて16年、ついにGT-Rが復活したのです。
その最大のトピックが、今でもチューニングの第一線で戦い続ける名機RB26DETTでしょう。
中途半端に感じる2.6Lという排気量は、当時の国内ツーリングカーレース最高峰「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」のレギュレーションに合わせたもの。
その出力は国内自主規制いっぱいの280psを発生。
トルク可変式の4WDシステム「アテーサE-TS」を組み合わせ、純粋にレースに勝つことを前提に設計されていることがうかがえるパッケージングでした。
そしてロードゴーイングカーとして誕生したBNR32は、チューニングシーンにも衝撃的なものでした。
オーテックジャパンが4ドアセダン+4WDのGTS-4をベースに、GT-RのRB26DETTをNA化して搭載した限定車。
RB26はNA化に伴い鍛造ピストンや高回転カムシャフトが組み込まれ、最高出力220ps/最大トルク25.kgmを発生します。
2ドアのGTS-tをベースにトミーカイラがカスタマイズしたコンプリートモデル。
エンジンは輸出仕様のRB30ブロックにRB26のヘッドなどを組み込んだ3L仕様。
直6NAらしい軽快なエンジンフィールと280psという大パワーを両立した希少な1台です。
4ドアセダン「GTS-tタイプM(HCR32)」の前期型中古車をベースにインパルのパーツを組み込んだコンプリートモデルが「R32-R」、その血統を受け継いだ中古車ベースの特別仕様車が「R32 SPORTS LIMITED」です。
どちらのモデルもインパルがチューンを施し、日産の中古車販売店で取り扱われていました。
オーテックやトミーカイラによる限定車、インパルによるカスタム仕様など個性的なコンプリートカーのほか、GT-Rにも「GT-Rニスモ」「Vスペック」「N1」などの特別仕様車が存在します。
それらについては、GT-Rページにてくわしく紹介しています。
R32~R34スカイラインの場合、GT-Rばかりが目立ってしまいますが、R32に関して言えばスカイラインシリーズ最後の5ナンバーサイズボディというコンパクトなボディにFRというパッケージングが魅力。
直列6気筒のRB20DETはハイパワーとは言えませんが、スムーズなフィーリングと高回転まで回して楽しめるエンジンです。
また、比較的簡単にRB25やRB26などに載せ換えることも可能。
パワーアップのため、また年式を考えればリフレッシュのためにエンジン換装を行うというのも選択肢のひとつ。
RB系エンジンはパーツも豊富ですし、今でも新しいパーツがリリースされているのでチューニングの幅は無限大です。
GT-Rがサーキットで勝つために作られた車なら、タイプMはストリートで楽しむための車と言えるでしょう。
単純な速さはもちろん走りの質、日本のストリートシーンにマッチしたバランスが愛され続けている理由です。
余談ですがタイプM開発時、ポルシェ944ターボをライバルに設計されたという話からも走りのバランスを重視していることが伺い知れます。
定番のR32/R33/R34はもちろん、ハコスカやケンメリ、ジャパンといった旧車、R30やR31といったレトロカー、V35以降のスカイライン、R35の買取もスマイルワークスにお任せください。
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